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掃き溜め

ひとりひとつのLOVEじゃ足りないんじゃない?

永遠の煌きに

 

 

何度だって、彼は、帰ってくる。

ヒロ様は私の、そして皆のヒーローだから。

 

 

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私は速水ヒロの大ファンだ。言い換えるとしたら、自担、本命、そして黄薔薇。「絶対アイドル愛☆NG」の時に彼の周りをグルグル回っている人影の一人だ。ハートに変化して彼に気持ちを伝えようとしても、「選べない…ごめん皆!」と一瞬で振られる。でも、その直後に彼に「僕は皆のものだから」と宣言されるのだ。私も、隣の彼女も、皆ヒロ様の女。

 

 

彼に初めて出逢ったころ、私にとっては「CV:前野智昭」のキャラのうちのひとりでしかなかった。

 

前野さんがブログでヒロ様について言及するのを見て興味を持ち、某動画サイトで動画を検索した。そして、一番上に出てきた「pride」はすぐにお目当ての動画だと分かった。安易な気持ちでタイトルをクリックし、再生。

大好きな声の美少年が微笑み歌うそれは、キャッチーかつルナティック、でもクールでキュート、そしてアイドルのショーそのものだった。今でなら「プリズムの煌きに触れた」などと形容するのだと思うが、当時はその演出の派手さに圧倒され、ストーリーに興味を持った程度であった。

 

その程度だったはずが、何回も同じ動画を見ていた。コウジに向かってニヤリと笑いかけ会場に「作詞作曲は~?」と問いかける速水ヒロが、曲が始まれば完璧なアイドルのヒロ様として愛を語る速水ヒロが、いつの間にか忘れられなくなった。

ストーリーを知り、彼を知るたびに、速水ヒロという一人の少年を好きになっていった。

 

 

45話「薔薇の革命」で自身の行いに自ら審判を下した彼の「pride」は、どこまでも美しかった。「作詞作曲は~?」の辺りから視界が歪んで見れなかったことを思い出す。18話の演出の踏襲や、それまでの伏線の回収も相まって、彼のプリズムショーは完成した、と思わされた。ヒールとして彼が終わらなかったこと、そして彼が様々なしがらみから解放されたことが、ただ嬉しかった。

そして同時に、プリリズRLにおける速水ヒロの物語は完結した、と本能が告げていた。所謂「当番回」が終われば自然と出番は減り、そのままフェイドアウトしていく。

 

しかし、最終回で予想外のことが起きた。Over The Rainbowによる新曲披露だ。終わりを迎えたはずの速水ヒロの物語が再び動き始めたことを告げるそれは、これから先の彼らも見たい、という思いを残しつつも、あっけなく終わっていった。流石に続きは無いだろう、と諦めているところもあった。それが大衆コンテンツというものだ。

 

 

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後継シリーズであるプリパラの映画の企画として過去のプリリズシリーズとのコラボが発表された時、男子プリズムスタァ達のルートもあると発表され、界隈が俄かに盛り上がったのを覚えている。

本来のプリパラのターゲット層から見れば興味も湧かないであろうそれは、週に1回だけ、私に「彼の物語の行く末」を提示していた。オバレが3人で歌い、プリズムショーをする。新作映像は僅か数分の物だったが、本編で願っていた未来は、ファンの熱量や歓声を巻き込んで、確実に現実になっていた。

 

 

それから暫く経った頃だろうか。今からおよそ1年程前、男子主体の新作映画が制作される事が発表された。『KING OF PRISM』と銘打たれた作品は、4年に一度、プリズムキングを決めるという、プリリズの本編内容を踏襲していることは明白だった。オバレの彼ら、そしてヒロ様を描くことを約束された作品。我々が願い続ける限り、彼らが現実に存在し続けるような錯覚さえ覚えた。ぐにゃり、と視界は歪み、高鳴る胸の痛みと鼓動が、これが夢ではないことを告げていた。

 

キンプリは、口コミに引き付けられた新規層と公開当初から足しげく劇場に通い鑑賞し続けるリピーター層の、不思議なバランスと熱気によって、誰も予想しなかったロングヒット作品へと急成長していった。その要因のひとつである応援上映の様子も相まって、傍から見れば恐怖、狂気に近い様子だったかもしれない。

 

 

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「キンプリ人気」の熱気も、夏の暑さも冷めやらぬ9月11日、『KING OF PRISM by PrettyRhythm』の続編である『KING OF PRISM -PRIDE the HIRO-』の公開が発表された。

 

人気になれば応援のスタイルも多様化する。それを実感したときの気持ちは、ブラックコーヒーを初めて飲んだときの感想に似ていた。口の中に広がる苦さと、胸の中に広がる爽やかさ。あの空間にプリリズからの熱気を共有することのない人々がいたであろう切なさと、様々な感情やファンを内包するような人気スタァに彼らは成長し、色々な人々が彼らを祝福しているという幸せ。

アイドルから見る客席は、しばしば星の海に例えられる。彼ら自身がスタァであるのは勿論だが、彼らが見る海もまた、ずっと輝きが広がっているのだ。

 

 

何よりも胸を揺さぶられたのは 「プリティーリズムレインボーライブを見てください」などという、使い古され飽和しきり、説得力も失われつつあったフレーズだった。

前野智昭という1人の声優を贔屓しているといえばそれまでだが、私にとっての速水ヒロは前野智昭であり、前野智昭は速水ヒロだ。どちらもいなければ、皆に愛される「ヒロ様」は存在しないと個人的に信じている。

速水ヒロは、過去を踏みしめて生きていく存在だ。過去の栄光も、過ちも、全て自分の結果として生きていく。前野さんがただの役でなく、1人の人間として「速水ヒロ」と関わっているからこそ、あの瞬間、あの空間で『プリティーリズムレインボーライブ』に言及してくれる。速水ヒロの生き様を、未だに多くの人に伝えようとしてくれる。それが何よりも嬉しかった。私の大好きな人は、大好きな人をこんなにも大切にしている。彼のこういう所に惹かれたのだし、これからも好きなのだろう。

彼らが出逢えて、彼らの姿に数年単位で触れることができて、本当によかった。

 

 

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映画の中の彼は、現実に抗いながらも翻弄され、終いにステージ上で涙を流していた。アイドルとしての彼は、あの瞬間に一度死を迎えたのかもしれない。彼の未来はどうなっていくのだろう。ぼんやりとした不安な気持ちだけが、胸の中でズシリ、と重さを増していく。同時に、今まで以上の革命を起こしてくれるのではないか、という期待もある。彼はいつだって、私達に輝かしい未来を見せてくれた。彼の未来は、ここで終わるはずがない。「絶対アイドル」の存在は、いつだって希望の象徴だ。

 

 

 

私は、彼の笑顔が見たい。彼の笑顔のステージが見たい。親友の歌を世界で一番上手く歌ってみせる姿が見たい。彼の歌が聴きたい。ファンや後輩に愛される彼が見たい。ステージの上で、スタァになる瞬間が見たい。

彼の煌めきに、ずっと圧倒されていたい。

 

 

 

お誕生日おめでとう。

世界一のスタァ、速水ヒロに再び会える日を夢見て。